人手不足型倒産が拡大を続けてるって、ちょっと前からニュースで頻繁に見るようになった。
あー分かる分かる、ウチも建設業だし本当に職人や協力業者探すの大変だし分かるわー、でも倒産か大変だな、なんて人事のように見ていた。
俺の会社、春先からの資金切りの悪化を銀行融資で何とか切り抜けて夏場を乗り切った。
そして、今、秋口から沢山の仕事が受注出来て俺も部長も銀行もひと安心していた。
が、
着工日は迫る、送り出す人間が居ない、これはマズイ。
協力業者が見つからないなら、内製でやるしか無いと慌てて新聞やハロワに求人を出しても、技能を持った人間がただの一人と集まらない。
特にハロワは酷い、面接して採用しても約束の日に来ないなんてザラ。
採用したんだから当然来るものだと思って段取りしてるから、当日朝イチからパニック状態。
そうこうしてるうちに、あちこちの現場からクレームの嵐で、その場を取り繕うために自社の直営部隊(社員)の人ぐりを弄り倒して、
今度は、直営部隊の不満が募っていく。
とうとう、2年も育ててきた人間が出社しなくなった。
正直どうして良いか分からない。
そして、最大に頭が痛いのは、各現場に技能労働者と適切な協力業者が居ないがゆえの「出来高の上がらなさ」だ。
下請家業の入金は出来高払いになるから、出来高が上がらないと当然資金繰りが厳しくなる。
リースやレンタルで賄っている車両・機械は出来高の如何に関わらず毎月決まった請求を上げてくる。
一昔前のように、仕事受注出来たらそれでOKってな時代じゃない。
自社で賄える規模を正確に把握し、それを超える受注はしないと明確にルールを定めないと、あっという間に人手不足型倒産に陥るリスクが発生する。
と、これを書いている間に、現場からもっと人間を増やせと電話が来た。
無理だよ、手は尽くした、真面目に人も協力業者も居ない。
それと元請けで建築予定の建物2棟が11月に控えているが、今の所、どこの業者も年内は一杯だという返事しか帰ってこない。
それじゃぁ、アテにしていた着手金も入らなくなるじゃないか。
上の人間の給与を削って、新規雇用者の賃金の初期設定値を上げればいいだけだろ