2012-11-07

誰のせいでもない

http://anond.hatelabo.jp/20121107152244

私は社長の子だ。実の子だ。ただし後妻の子だ。先妻の子どもが2人いる。

幼児を2人抱えて、社長になった父は、仕事が忙しくて家庭は顧みなかった。女中を雇うより、女房をもらったほうが経済的だ。という理由で、母は嫁いできた。最初の子どもは「先妻の子を育てさせるために娶ってやったのに、自分の子が欲しいなんてぜいたくな。堕ろせ」と言われて中絶した。まだ、中絶技術とか高くなくて、母はその後3人流産する。4人目が私だ。母は珍しく「どうしても産む」と言い張って、妊娠3カ月目から入院させてもらっていたのだそうだ。祖父は「何をさぼっておるか!」と激怒して、病院のベッドから引きずり下ろそうとしたが、ベッドの柵にしがみついて、がんとして退院せず、帝王切開で私を産んだ。

とあるごとに「上の2人は愛妻の子、お前は女中代わりにもらった女の子」と言われ続けた。

もちろん、家庭内カーストでは一番下だ。単に、末っ子というだけではなく、私に対する遠慮や気遣いといったものはまったく与えられなかった。

母は父の目を盗んで、私にお金を送り続けた。月5万円。叩き返したこともあった。送って来なかったこともあった。送って来なかったときは「ありがとう。ようやく私を一人前と認めてくれましたね」と母に手紙を送った。すると「ちょっと遅れただけだ。勘違いするな。永遠にあんたは私のものだ。私が産んだ子だ」と返事が来た。

私は父の奴隷で、母の所有物だ。

から見れば、お金持ちのおうちのお嬢様から、そういう風に思われる。でも、中身はまったく違うので、違和感をもたれる。

金持ちの間に入れば「仲間じゃない」と認定され、日雇い人間の間にいても「仲間じゃない」と疎外される。

私の仲間はどこにいるんだろう? と長いこと不思議に思っていた。

親とか、金とか、礼儀とか、身分とか、仲間うちの符丁とか、そういうこととは、まったく関係ないところに仲間はいた。

すなわち。増田の面々だ。ここに居れば仲間はいる。同じ魂を持った人は、そのうち見分けられるようになるだろう。

両親からお金をもらわないことが独立なんじゃない。自分だけの交遊関係確立したとき独立は近づく。心さえ自立できれば、親が金をくれることも「いい星の元に生まれた。ラッキーだった」ととらえられるようになる。

私は両親から虐待された慰謝料だと思って、遠慮なくいただいて貯金しているよ。

  • http://anond.hatelabo.jp/20121107201803 >両親からお金をもらわないことが独立なんじゃない。自分だけの交遊関係を確立したとき独立は近づく。心さえ自立できれば、親が金をくれることも「い...

  • 素晴らしい文章。感動した。 とてもとても大変だっただろうに、今、こんな風に賢く世界を見て、 自分を肯定していることに、まるで自分のことのようにうれしくなってしまった。 で...

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