2024-09-07

マッチングアプリ徒然

わたしは数時間身体を許せるほどの熱をもてなかっただけ。それはとくにだれのせいでもないのだ。そういうフィーリングも合っていると思ったのにと言われがっかりされてもそれもとくにだれのせいでもないのだ。そう思われることに納得はいかないけどそう思うことの理解はできるよなあ。勝手に繋がれた左手勝手にほどかれて行き場をなくしてしばし宙をさまよう。こんなに気まずい空気記憶の限り体験がなくてなにか声を発したほうがよいのかと頭をフル回転させてもふさわしいことばがヒットしない。ふたりあいだにみえない壁が夜中のまっくろなアスファルトからみるみるにょきにょき生えてわたしたちはもうそれを超えられない。気分を下げさせたい意図微塵もなかったことは確かなのでこちらとしても望まない結果をもたらしたことに対してのみ別れ際に謝罪して颯爽と雑踏に紛れる。やるせないきもちで空を仰ぐとやせ細った三日月と目が合って目を逸らせなくてのろのろと歩いていたらそのままふわふわ階段をのぼるように月に近づけたらなあともやもや思う。帰り道のコンビニでふと目についたねるねるねるねを購入しなんとなく家に辿り着きたくないこころを握りしめてゆっくりゆっくり夜道にヒールを鳴らした。

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