2024-07-16

7年間の片思い

僕と彼女出会いは7年前。

営業に行く得意先にいたのが彼女だった。

初めて会ったときから、この世にこんなにかわいい女の子がいるのか…と思うくらいタイプだった。

彼女は良く笑う子で、いつも僕の話で爆笑してくれていた。

意気投合するのも早かった。

ごはんに誘うとすぐに来てくれたし、ふたりきりで旅行にも何度も行った。

でも、何も起こらなかった。

今年、僕は仕事を辞めた。

毎週通っていた彼女の勤務先にも、もう二度と行くことはないだろう。

最後に引き継ぎの挨拶に行ったとき彼女だけは泣いていた。

僕が仕事を辞めてから彼女からの連絡が増えた。

今までは仕事の話以外でしたことのない電話もした。

そして、飲みに行こうと誘ってくれたのは彼女だった。

いつものように2人で飲んだ帰り道、僕たちは自然と手を繋いで歩いていた。

そして先日、久しぶりに2人で旅行に出かけた。

電車で1時間もかからない隣町への小旅行だ。

せっかくだからと、ちょっとだけランクの高い宿を予約した。

しみったれ飲み屋で2人で乾杯したあと、宿へ向かった。

部屋に入るなり、彼女が抱きついてきた。僕も彼女を抱きしめ返した。

「私のこと、いつから好きだったの?」

「初めて会ったときからだよ。」

「私も。どうして言ってくれなかったの?」

僕たちは7年間の片思いを、お互いにしていたのだ。

夜の街を見下ろしながら、何度も何度もキスをした。

僕たちはどうしていままでこうしていなかったんだろう。

でも、こうしていなくてよかったのかもしれない。

今日から両思いで、堂々と過ごしていこう。7年間を取り戻す毎日が、はじまっていく。

愛しているよ。今までも、これからも。

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