2022-10-11

ミンストレル・ショーという19世紀アメリカ大衆芸能をご存知だろうか。

これは、焼きコルクで顔を黒塗りにした白人芸人たちが、黒人の会話やユーモア、歌やダンスの物真似をするショーである

アメリカではそれまで大衆芸能といえば、ヨーロッパ伝統を引きずったものが主流を占めていたが、

国産芸能として登場したミンストレル・ショーが1840年代に人気を集め、その後半世紀にわたって最もポピュラーな娯楽として発展していくことになる。

皮肉にもアメリカが抱える奴隷制度という問題が、オリジナル大衆芸能を生みだす基盤となったわけだ。


このミンストレル・ショーは、アメリカ歴史のなかで実に様々な分野に多大な影響を及ぼしていく。

このショーは、黒人に対して白人がいだくイメージの原型を作りあげ、それが皮肉ドラマを生みだすのだ。

南北戦争解放された黒人たちがショー・ビジネス世界進出してきたとき

彼らの多くは白人社会に受け入れられるために、褐色の素顔を黒塗りにし、純粋自分たちの芸ではなく、白人が作った黒人イメージ模倣しなければならなかった。

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