お茶碗くらいのボールに入ってくるカレーに別添えのパックに入ったうどんをつけて食べるものだ。
99パーセントの小学生はこれが大好きで、とりわけ男子には絶大な人気があった。
私はクラスの中で、ソフト麺を食べきれずに残してしまうただ一人の生徒だった。
もともと小食の私には量が多すぎた。
カレーがそんなに好きではないし、カレーにぶよぶの冷えたうどんを浸して食べるものがおいしいとも思えない。
最後にカレーが残り少なくなって微妙にカレー味のする麺だけを口に押し込むのは最悪で、
どんなにがんばっても最後まで食べ切れることはなかった。
私がソフト麺を残すと、目ざとく隣の席の男子が「あぁーーーー、こいつぅ、ソフト麺残してるうぅぅぅぅ」と叫び、
そうするとクラス中の男子が私の席の周りに集まってきて「ソフト麺を残すヤツ」を信じられないと言う顔で見る。
それが嫌で嫌でたまらなかった。
毎月配られる給食表を見ては、「あーあー、この日はソフト麺だ」とため息をついたものだった。
アレルギーの子向けのメニューがあったり、学校によっては小食な子への配慮もあるらしい。
ソフト麺はどうなんだろう。まだ残っているのだろうか。