リフレで働いていた頃、ヘビースモーカーの先輩が結構いた。店のNo.1の子もそうだった。
彼女は、歳は私の1つ上で、均整のとれた細い体に清楚な美貌を持っていた。メンタルはあまり安定しておらず、腕にはイカ焼きのように自傷の跡があった。
待機時間などもほとんど話すことはなく、初めのうちはちょっとした苦手意識すらあった(私は全く成績が奮わず、嫉妬と羨望の入り交じった感情を彼女に対して抱いていたのもある)
しかし、元々和気あいあいとした空気感の店で、入店してしばらくすると出勤がよく被る人と徐々に喋るようになり、彼女ともよく話すようになった。みんなでご飯に行ったりして、打ち解けてきた。
待機中、彼女はよくタバコを吸うために中座していた。同じく喫煙者の子が出勤していると一緒に吸いに行っていたが、その日は新人ばかりの日で手持ち無沙汰だったのか、なんと私が一緒に外に行くことになった。
そこで、「吸う?」と聞かれた。
別に吸いたくはなかったが、彼女と喋っていられるのが嬉しくて、「吸います」と答えた。
彼女は私の咥えたタバコに火をつけて、カプセルの潰し方なども教えてくれた。私はメントールは嫌いだったし、初めてのタバコはあまりにも苦かったが、美味しいと思った。ふかし続けて一本吸い終わって、待機場所に戻った時、心には謎の高揚感があった。
ほどなくして私はその店を辞めてしまったが、その際に彼女は「あなたはとても美しい」と言ってくれた。(私の何を指していたのかは知らない)
単純に高いし吸う場所もないので日常的にタバコを吸うことはないが、もし吸う時が来たら毎回彼女の弱々しい笑顔を思い出すんだと思う。