繁忙期にはいり製造が追いつかなくなったため、事務である私も現場に駆り出されることになった。
「Aさんは・・・こちらのラインで・・・箱詰めされた部品を・・・運送用のダンボールにつめて・・・ください」
と蚊の鳴くような声で説明をしてくれる。
続けて「かならず・・・裏をチェックして・・・くださいね」という。
裏? 裏の何をチェックするのだろうか。
女性に尋ねようとするが、別のラインから声がかかった女性は「よろしく・・・おねがいします・・・」と言い残し去っていってしまった。
仕方なくラインに入り、流れてくる箱を取り上げ、裏面を見る。
真っ白だ。真っ白な箱なのだ。
彼女はつまらなそうな顔で、コンベアから箱を取り上げ裏面をちらっと見てダンボールに収めていく。
面倒になった私は裏面を見ずにドンドンダンボールに箱を詰め込んでいった。
「え?」と顔を上げると、隣のラインの女性が「裏、ちゃんと見てくださいね」と念を押してくる。
「何を見るんですか?」と尋ねると「ですから、裏です」とだけ答えるとまた作業に戻ってしまった。
しかたなく裏を見る。真っ白だ。詰める。取り上げる。裏を見る。真っ白。詰める。
いったい何を見ているのだろうか。
翌日、事務所に戻った私は品証の同期の元へと向かった。
「昨日ラインに入ったんだけどさ」と私。
「あぁ、助っ人?大変だったね」と彼。
「そうなんだけど〇〇の箱詰めだったんだけど、裏を見ろって言われて見てはいたんだけど、あれは何を見てるの?」
「そりゃ、裏だよ」
おわり。
なんか裏に明らかに見てわかる不具合が発生する事が「稀」にあるんだろうな、としか。
真っ白な箱だから、作業員の指がコンベアに巻き込まれると、裏が真っ赤になる。 なので「必ず裏をチェックしてください」なのです。
ライン止めろォ!
人配置しないで画像解析にした方が安上がりになりそうだな
現場猫「ヨシ!」 よしじゃないが
こういうのは色とかよりまず異臭とか塗料の粘度でわかるもんだよ
裏地見る・ナボコフ
つまんな ちょっと凝って加工としてるのがまたうざい
え?これ怖いと思ってわざわざ創作したの?ならマジで終わってる。怪談なめすぎ。創作なめすぎ。
実話だとしたら仕事なめすぎ