私は家庭の宗教上の理由で肌を露出してはいけないと親から言われていたため、中学校の制服はスラックスを履いて登校していた。(地元の中学校には何年か前にも同じような先輩がいたので女子でもスラックスの許可が降りた)
いよいよ高校受験...となった時、私も私の家族も制服の事など一切気にしていなかったのだが担任が気を利かせて県内の複数の私立高校にスラックスでも良いかどうかという事を電話で聞いてくれたそうだ。
その時、連絡を取ってもらった複数の私立高校からは「学校のイメージの問題に繋がるのでうちの高校では受け入れられません」との回答が来た。
結局私はその時、連絡を取ってもらった高校ではない所へ進学した。偶然私の進学先は随分前から女子スラックスを制服として導入している珍しい高校だったので、私は制服問題を気にすることなく高校生活を終えた。
最近になって、制服が選択制になるという話題をよく聞くが、宗教上の理由で肌の露出を控えなくてはいけなかった当時の私は、担任が連絡を取ってくれた高校からしてみたら「多様性」の枠からは外れていたのかなと、大人になった今思うのだった。
これからの時代を生きる中学生・高校生が、男子でも女子でも、そのどちらでもなくても、宗教上の理由があっても...「制服」にとらわれずに生きていける世の中になればいいなと、私は思う。