2020-12-06

コロナカレー

仕事を失い、借金を背負った。

あるのはバーモントカレー半箱。冷蔵庫食材ゼロ

せめて玉ねぎをと思ったが、借金持ちが具など入れていいのかと思い、買に行くのをやめた。

調味料棚には、乾燥唐辛子料理酒

唐辛子をハサミで切ってティーパックに入れ、料理酒は全てぶち込み、残りは水で水分量を700mlにして煮きる。

ルーを入れた。 みっともない。ただルーを溶かしただけの物。

米に注ぐ。

いただきますもなく、スプーンカレーで濡らし、米と一緒に運ぶ。

うほう、悪くない。うほう、これだ。うほう、これがカレーだった。

ヘドロのような玉ねぎ、ゴツゴツした岩のような野菜、木皮のような肉、全てノイズだったのか。

米をカレーで食う。

カレーが好きと言う時、いつもノイズが入っていた。なんてことだ、これからカレーが好きというたび、もうこいつしかタマに浮かばない。

ああ、もうだめだ、なんてうまい、寝る前に食べると寝付きが悪くなる。明日顔が晴れる、意識拒否権なく体が喜ぶ、もう知らない、おかわりもうまい

知らなかった、誤解だ、本当に今までのルーにはすまないことをした。

ココイチはいつも具なしポークカレーを頼んでいた。一番安いから注文していたと思っていたが違った。ノイズなしが好きだったんだ。

今日はこいつが寝る。明日はまた旨くなるのか、もう食いたい。

コロナあなたカレーの答えに導いてくれた。

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