いいかい、よく聞いてほしい。
君が元カノと同棲することをなし崩しとはいえ、選んだ時点で私は自分によーーく言い聞かせたんだ。「諦めなさい」って。
君は私に相談してくれたよね「同棲したくないけど迫られているし共有の友達も多いから断るとめんどくさそうだ」って。結局私の話をうーんと聞いただけで相談ではなかったのかもしれないけど、やめた方がいいよと言った私の提案を採用しなかった時点で私は自分にうんと言い聞かせた。
それからはしばらく自分で落としどころを見つけるのに苦労したよ。なにせ随分仲良くしたしね。
今でも私をお酒に誘ってくれるのは嬉しいけれども、私は彼女がいる君とはもう二人で飲みに行けないから、後輩君とかだれか誘って複数人で飲もう。それだったらいいよ。
でも二人きりじゃだめなんだ。せっかく自分に言い聞かせたのにそれを破りつけるようなことはしたくないから、お酒が飲みたいなら誰か呼ぶか、一人で飲むか、彼女と飲んでくれ。
食事も、映画も二人きりではもう行かないから、君も自分によーーーーく言い聞かせてくれ。
事故は起こしたくないんだ。事故は未然に防ぐものだから私は放っておいておくれ。
もう不幸な人間が4人も出来上がっているんだから、これ以上被害を増やすようなことはしないでおくれ。
私は好きな時に好きなことをする君がだいぶ魅力的に見えていたよ。ちょっと尊敬すらしていた。
でも人と同棲して好きな時に好きなことをするようなことがなくなった君にはちょっと落胆すら覚えた。これは勝手なんだけど。
だから、最後の賭けだった。同棲はやめたほうがいいよということしかできなかったけど、これに賭けた。
だから君もそろそろ落としどころを見つけておくれよ。