この1年間だけでも、自分が担当している地区に住む方々の生活はどんどん変化しているんだということをふと思った。
住み慣れた自宅を離れ、老人ホームに入所した人。予期せぬ妊娠により、中絶した人。訪問しても会えず、音信不通になり、どこかへ行ってしまった人。がんがみつかり、壮絶な治療を受けた人。交通事故に遭い、自宅に戻れなくなった人。自宅で亡くなり、死後数週間経って発見された人。
自分の身に起こったものなら、間違いなく大きなターニングポイント(あるいは終結)になるような出来事が、たった1年間でこんなにも起こる。
100世帯くらい持っていればこういうことは当たり前かも知れないけれど、この仕事をしているとあらゆる感覚が麻痺してしまう。気づけば、「よくあること」として処理することに慣れてしまった。
そうしないと自分の心がもたないからだとは思うが、一つ一つの出来事に思いをはせた時、なんて自分は冷酷な人間なのだろうと罪悪感に襲われた。
今の地区の担当はこの3月で終わる。あと数日、自分の心を守りつつ、人を大切にする気持ちも忘れずにいたい。もちろん、事務処理もきっちりやるけどね。