でも眠くてしょうがない。
S藤さんが貸してくれることとなった。20万円もだ。
翌日、焦って目が覚めた、というか半分は寝ぼけてる。
でももう直ぐ出掛けなければいけないのに、寝てて良いのかと、
気持ちばかり焦って寝ていられなくなり、一階に降りて行った。
階段を下りると、一階がものすごくもやっとした暖かさと、湿気、
更には床じゅう水滴だらけだ。
一瞬何が起こったのかわからない、寝ぼけているから余計に混乱している。
あ、でもこの光景と似た光景に出くわしたことがある、と思い出した。
暖かさや、水滴、湿度はこんなに酷くはなかったが、この光景は...
そう思って、以前に壊された窓を見るように顔を上げると、
ぱっくりと割られたガラス窓があった。
やられた、またやられたんだ。あの時直ぐに防犯用の格子を取り付けたのに、
どうやって入ったんだろう?
普通の人間では、窓と格子の間など通ることはできるはずが無いのに。
以前と同じようにバッグも持っていかれたんだろうか...
やっぱり無い。
あーー、 あーーーーー...
次の瞬間、
うわぁーーーん、
うわぁーーーーーん...
と大声を張り上げて泣いている自分がいた。
驚いた。大人になった自分がこんなに声を上げて泣くことがあるのかと。
あまりにも驚いて飛び起きた。
夢だった。
嫌な夢で、目が覚めた。かなり汗をかいていた。