仕事をしていても、目のふちにうっすらと熱さがずっと溜まっている。つついたらすぐに決壊しそうだ。
わけもなく泣きたくなるというのは、うつ病の指針のひとつらしいが、わけはあるから、そうしたものでもない。
その理由はずっと何年も前からあるもので、人の死に由来するものだから、時間くらいしか解消策はない。
泣ける場所が欲しい。
それはもう馬鹿みたいに、ティッシュ一箱分使い尽くすほどに泣きたい。
家には家族がいて、狭小住宅で個室もないので、すぐにばれてしまう。家族に心配はかけたくないし、心配もされたくない。ただ無心に泣きたい。
1人宿に泊まる、なども考えたが、めったに旅行などしないし、するとしてもかなり前から家族に予定を言うので、急な旅行は不自然だ。何より、今すぐ泣きたい。
日帰り銭湯なども考えたが、寛ぎの場所で号泣している人間を見せるのは、たいへんに申し訳ない気がして、うまく泣けるかどうかわからない。
公園だとか河原だとか、公共の場所で泣くのも気がひける。カラオケ屋は帰宅後に腫らした目で分かられてしまいそうだ。
ただ泣ける場所が欲しい。気が狂ったように泣きたい。
好きな人がいないこの世界を憎んで、そしてなお生きていることを恨めしく泣きたい。
ガイバー「胸を貸そうか…」
帰宅後に泣きはらした目を見られたくないんだったらどこ行っても無理なんじゃ… 泊まれるし声も出せるという意味ではやっぱホテルとかかね 仕事忙しいとか友達の家行くとかオール...