2019-01-27

「本当の危機」は10年遅れの指摘だということ

新聞部数が一年で222万部減…ついに「本当の危機」がやってきた

そう、新聞が滅びると、真っ当なジャーナリズム日本から姿を消してしまうかもしれないのだ。紙の新聞を読みましょう、と言うつもりはない。だが、タダで情報を得るということは、事実上、タダ働きしている人がいるということだ。そんなビジネスモデルではジャーナリズムは維持できない。誰が、どうやって日本ジャーナリズムを守るのか。そろそろ国民真剣に考えるタイミングではないだろうか。

どっかで見たことあるなと思ったら、アメリカ新聞業界に対するクレイ・シャーキーの指摘を思い出した。

クレイ・シャーキー「新聞、考えられないことを考える」:Clay Shirky's "Newspapers and Thinking the Unthinkable"

新聞業界人はよく「新聞社会全体の利益になる」と言う。それは本当にその通りなのだが、今さしあたっての問題には関係ない。「俺たちがいなくなったら寂しくなるぞ!」 という台詞がかつてビジネスモデルだった試しはないからだ。となると問題はこうだ。新聞社が今雇ってる相当数が解雇になった場合、そのニュースは全部これから誰がカバーしていくのか?

興味深いのはクレイの指摘は2009年のものだということ。しかも、「誰が、どうやって日本ジャーナリズムを守るのか。そろそろ国民真剣に考えるタイミングではないだろうか」との問題提起に対して、『「俺たちがいなくなったら寂しくなるぞ!」 という台詞がかつてビジネスモデルだった試しはない』と10年前のクレイが回答しているのだ。

10年遅れの指摘に対して10年前に既に回答されているという点に、日本ジャーナリズムの「本当の危機」が滲み出ている。

  • おもしろいな。 っていうか、日本の場合は新聞とテレビメディアが一体なんだから、別に困らないだろと思うが

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん