うつ病がきた。秋になったからだ。10年前の秋にあまりに異常な仕事で精神を病んだ。それ以来秋になるとそのときの自分が脳内にロードされる。
僕は、うつ病になるとパチンコを打つ。自傷行為に似ている。パチンコのすごいところは、当たってまったくうれしくないところだ。単に安心するだけだ。緊張から開放される、不安から開放される。安心感だけがある。
パチンコにはなにもない。ひとりだ。僕とパチンコ台だけ。なにもない。意味もない。金と時間の無駄のきわみだ。それを3日間くりかえした。そして2万まけた。ソシャゲ時代の今となっては大きな金額でもないようにも思う。僕はソシャゲをしないけれど。
そして、こうして、ここに負けたと書いている。果てしなく意味がない。2万あればいろいろできただろう。そう思う。ただ、それができないからうつ病なんだ。別に熱くもなってない。ただ、なにもしなくても結果が出てくるパチンコは気が楽なんだ。巧くいけば、巧くいったと喜べる。単純に。なにもしていないのに。偶然なのに。自分がそれを導いたかのような錯覚が得られる。負けてもいい。負けても得るものがある。傷が残る。
毎年のことなんだけど、どうしようもない。助けて欲しくもない。