日本の竹島領有の直接の法的根拠はサンフランシスコ平和条約である。この条約の中で、日本が放棄する領土が定められており、この中に竹島が含まれていない。したがって、同条約発効以前には、韓国相当部分は日本領であったのだから、韓国併合前に竹島が韓国領であったか日本領であったかにかかわらず、竹島は条約に従えば日本領ということになる。
これを根拠に、確かに日本は竹島の領有権を主張できそうである。だが、問題は、条約は締結した国家間のみで有効ということだ。韓国はサンフランシスコ平和条約に署名していない。だから、サンフランシスコ平和条約を根拠に日本が何を言ったところで、韓国に対しては法的効力がない。
日本はサンフランシスコ条約の発効以前、米国によって統治されていたが、韓国による竹島侵攻は、条約の発効直前である。そして、この時の侵攻は米国によって排除されていない。武力衝突も起きていない。日本の漁船のいくつかが拿捕されたようだが、日本は軍事的には何もしなかったし、アメリカも何もしなかった。アメリカは竹島を放棄しているのである。
つまり、条約が発効し、日本が主権を取り戻した時には、すでに竹島は韓国によって占有されていて、日本に主権を委譲する時にアメリカはすでに竹島の占有を放棄している。これでも竹島の領有権が日本にあると言えるだろうか? 苦しいのではないかと思う。
いずれにせよ、条約を根拠に領有権を主張できるのは条約の当事者に対してだけである。韓国に対してはできない。ただ竹島を日本の主権回復以前から現在まで占領しているのは日本ではなく韓国だという事実だけがある。
したがって、総合的に考えれば竹島は韓国領と言うのが現状妥当であると考える。
どこか間違ってたら教えてほしい。