2018-08-13

心の「感覚

心が、いつもと違う状態になることがある。

それは、突然やってきて、いつの間にか消え去っていく。

唯一分かっていることは、色々な条件が揃った時にだけ起き、それゆえに普段の心の位置とは違う、他の状況では実感できないような心の感覚

楽しいとか嬉しいとか悲しいとか、そんな簡単言葉ではとても言い表せない、特別な心の感覚

小さい頃には、それを体験することが多かった。

例えば、祖父母の家に遊びに行った帰り道、頭を預けた窓から伝わる振動と車の匂い、流れ行く木々景色、夕暮れ前の陰り具合、その日の思い出。

それらが全て一体となって、自分の心をいつもと違う場所に連れて行く。

嬉しいでも楽しいでもないのに、何故かうっとりとその感覚に浸ってしまう。

大人になってからは、そういう気持ちを新たに「発見」することはなくなったけれど、最近になって、ふとした瞬間に、既に味わったことのあるその感覚を思い出すことが増えた。

だがそれは、その感覚を外から見ている感じ。

触れたいのに触れられない、その感覚の「存在」を思い出しただけで、感じているわけではないし、一瞬で消え去ってしまう。

今の自分がそれを感じられないことがとてももどかしく、同時に遠い日に味わったその感覚を懐かしくも思う。

掴みどころのないこの感覚を、どうにかまた感じることはできないだろうか。

大人には感じられないのだろうか?日々の暮らしの中で、大事な何かを失ったような気もするけど、失ったそれが何かも分からない。

そういうものを取り戻せれば、また子供の時のように、感じることができるだろうか。

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