2018-06-03

名探偵缶詰

「下は洪水、上は大火事、中は五臓六腑ってなーんだ?」

「鯖だろ」

以来、私にとって少女は鯖だった。鯵と言う奴もいたし、秋刀魚と言う馬鹿者も。ひどいのになると蛸って。おいおい、烏賊臭いぞ。何を考えているやら。

「私を守ってね…?」

まさかあの時には缶詰になってしまうなんて想像さえしなかった。月は俺を狼にしてしまった。間違えた。月はあちきを狼にしてしまった。主語大事だ。主語が大きいという意味ではない。

鯵とはよく遊んだ。当時ハマってたのが人生ゲームだ。「え、でも俺たち魚じゃね?」あれには笑ったね。五臓六腑が爆発するかと思った。俺たちが魚www 何言ってんだこいつ。頭大丈夫か? 案の定最初に刺し身になったのは鯵だった。

次の日、鮪は何も言わずシーチキンになった。犯人はまだこの屋敷にいる。叙述トリックに違いない。竹田が怪しい。次の日にはあいつをコロストラム

最初問題に戻る。人生ゲームは振り出しに戻った。魚www すまん、思い出し笑い。たしか問題は「上は洪水、下は大火事、中は八面六臂ってなーんだ?」だったはずだ。

「鯖ですよ…鯖ですよ…」声が聞こえた。

「お前か…? 生きてたのか?」

「我は缶詰となりき。ばってん、人生は糞」

「そんなことないよ? 生きてるだけでいいんだよ。あ、でもお前缶詰なっちまったのか。てか、人生ってww 魚www

そこで寝てしまった。

諸君に告ぐ。誰が犯人推理を聞かせてもらおう。明日名探偵に殺されるのは私だ。本当の悪夢はこれからだ。

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