ママ・ココという100歳に近いひいひいおばあちゃんがいて、もうだいぶ物忘れをしていて、反応も薄いし、目の前の相手が誰かもあまりわからないみたい
ミゲルはそんなママ・ココのことを「お話すると楽しいから大好き!」と言って、よく話しかけるしよく一緒にいる
というストーリーやシーンが、とても見ていて辛かった
亡くなった私のおばあちゃんとおじいちゃんは、どちらもなくなる直前に痴呆のような症状が見られた
私のことがわからない様子で、誰かがいるのかいないのかもわからない様子で、昔とは違ううつろな目をした祖父母を見て私は怖くなった
「ああ、こうやって人間は店じまいのように少しずつ身体の機能を終わらせていって、やがて死ぬんだ」と
大好きの人たちが変わりゆくのを、その生命が終わりゆくのを目の当たりにして、私は恐怖と悲しみを強く強く感じながら、心の底で泣きながら、上辺だけの笑顔でその痩せた手を握って話しかけることしかできなかった