二十代の始めごろ。
そのときは、今みたく「婚活」という言葉もなければ、結婚できないという悲壮感も漂ってはいなかった。
結婚指輪にもウェディングドレスにも披露宴にも興味はなかった。
今になって分かった。
誰かに求められ、受け止められ、ここにいていいと保証して欲しかった。一瞬でもいい、そういう時間を過ごしてみたかった。
親に搾取され、なにも与えられることのない人生に、つかの間の安らぎを求めたかった。
女性にとって、結婚は人生で一度「何かが与えられる」瞬間なんだと思う。
愛、手間、想い、覚悟。
金や地位にとんと無関心な人でも結婚したいと願うのは、そういう場所に身を置いてみたいからじゃないか。
それほど結婚には魅力(いや、魔力?!)がある。
ちなみに学生結婚は、一学年上で就職しているお相手からの「(私が)就職する前に結婚すると就職活動に不利になる」というアドバイスにより、一蹴された。残念。