エンディングノートを書いている。
数ヶ月前から。
焦って躍起になっていた三ヵ月前に、遺書書いて死んでしまおうかと思った。
若い時分はそれなりにモテた。周りは美人だの何だの褒めてくれたしスタイルも良かった。
二十歳からずっと結婚願望はあったし、お付き合いした人とは全員結婚したいと思っていた。
でも付き合っていた男のお眼鏡にはかなわなかった。
昔から自分に自信が持てなくて、嫌われないように必死になってばかりで自分の主張なんてしたこと無かった。
そんなこと繰り返しながらあっという間に29歳。
半端なプライドも捨てられず、日々劣化していく全身と、周りの評価が怖かった。
死のうと思ってエンディングノート書いた時、いつでも死ねることに気づいて憑き物が落ちた。
いつでも死ねる。好きなタイミングで好きな方法で死ねる。いつでも終わらせられる。
だからどんなに嫌なことがあっても、いつでも死んで逃げられることに気づいてから、生きるのが楽になった。
今時29歳で行き遅れとか随分と旧態依然な考え方だな 憑き物落ちてよかったね