おばさんは中途で入社してきた。
来客、男性社員へのお茶出しや社内清掃、そのほか雑用は私とおばさんで手分けすることになっている。
仕事はそれぞれ別のことをしているため、あえて明確に分担せずに、手が空いている方がやるというルール。
おばさんの前任とも同じやり方でどちらか一方に負荷がかかりすぎることなくうまくやっていた。
しかしこのおばさんがなにも出来なくて困っている。
自分が使い切ったトイレットペーパーや氷の補充は出来ないし、「包丁は怖くて使えないので」と言われた時はちょっと驚いた。
お茶出しは特にやりたくないらしく、放っておくと来客に出さないままで平気な顔をしている時もある。
基本的に自分がやりたくない、めんどうだと思う仕事は素知らぬ顔して逃げようとするので、せめて来客の時くらいはもう少し気を付けてほしいと言ったら「来客したことに気づかなかったです」で逃げられる。弊社、ワンフロアしかなく、入り口は全員が見える位置にある。
20代半ばの人間から指摘をされたのが気に障ったのかもしれないが…。
シャンプーの詰め替えすらいまだにお母さんにしてもらっている40代のおばさん。
朝出社すると同時に化粧直しのためにお手洗いを占領するおばさん。
図太いなあと思う。
こんなおばさんにはなりたくないなあ。
はずかしい。