眠ってしまいたくないな、とか、眠ってそのまま目覚めなければいいのにな、とか。
そんなことをとりとめもなく考えてしまう。
社内環境は、有給とかが取りやすいから福利厚生的には良いのかもしれない。
呼吸するように人のことを悪く言える人の方が、人生を謳歌し、社会に馴染んでいるのだからやるせない。
いろんな悪意に日々怯えながら生きていくのは、なんだか疲れてしまった。
決定打、になるようなものがあれば自ら楽になれるのに。
真綿で首を絞められるような、細やかな悪意の張り巡らされ方をすると何を例にあげていいのかわからなくて、具体例の挙げにくい漠然とした不安感だけが残る。
綺麗なものだけ見て生きて行けたらいいのに。
紺の混じる東の空と、燃えるように赤い西の空。
どうしようもなく美しく力強く生きるものに心惹かれるのに、どうしようもなく自分がこんな風に、しなやかに、したたかに生きて行けない。
私もそちら側に行けたらいいのに。
目が覚めたら、私もあの燃える夕空のように力強く、限りあるエネルギーの全てを注ぎ込むように生きていけるようになれるだろうか。
目が覚めたら、私は、あの冷笑と皮肉を使いこなす職場の人たちのように軽やかに会話ができるようになるだろうか。
目が覚めたら、私が私で無くなっていたらいいのに。
本当は、私が私でなくなればなんて考えたくない。
目が覚めたら、世界の全てが優しい言葉と理知的な窘め方で回っていたらいいと思う。
目を、覚ますのが怖い。