フケツという感覚は、いわゆる不潔と違う気がする。くさいとか、フケが浮いてる、メガネが汚れてる、歯が汚い、そういうのも、もちろん嫌ではある。
周りにある男の人がいて、良い匂いが嫌味で無い程度に漂う、シュッとした人。頼りになって話が楽しい、大人の男性だ。
その人が使っていたある物に、体毛が付いていた。
その瞬間、フケツというワードが浮かんだ。同時に、女子高生の話をしていた時の表情もリンクし、その人は「どうもフケツで気持ち悪い気がする」というタグ付けがされた。
いや、体毛がその人のとは限らない。ひょっとしたら巡り巡って私のかもしれない。女子高生の話だって、こうしてやったぜウヘウヘ、という表情とは限らず、いつもの笑顔だったかもしれない。
でもなんかフケツだな、という、決定的なものだった私にとっては。それまでは、憧れの存在、ちょっと良いなと思ってたのに、一回タグ付けされると、サジェスト機能のごとく、おっさん フケツ 気持ち悪い、というワードが張り付く。
そもそも何でおっさんフケツ、は、気持ち悪い、なんだろか。分からない。でも、だいたいその場の女性の空気が凍りついたり、ひいたりする共通認識だ。
二人でやることに、特別な価値を見出していたのに。例えるなら子供の頃好きだった絵本のように、誰にもじゃまされない私だけの特別な世界だった。それがいまや。数百円でいつでもどこでも売ってる週刊誌のゴシップのような…。
ほんと女ってめんどくせえしくだらねえ 真面目に女に取りあう男がいないわけだよ 滅茶苦茶知能を落とさない限りこんな生物に真剣に向き合うなんてことはできない