私の母は幼少期に実親を亡くして以来育て親に精神的虐待を受けて育ち、50代になった今でも自称「心が子供のまま」な人だ。
母は十数年前にスピリチュアルの世界に出会って以来どっぷりハマってしまった。当時小学生だった私は、その時こそ母の言うことを疑いもせず受け入れていたのだが、多分、中学生になったあたりからは話の胡散臭さと母への嫌悪感と、本来あるべきはずの母親像でなくなってしまったことが苦しくて悲しくて何度も泣いた。
小学5年生のある日、母にこう言われたのを覚えている。
「ずっと私に愛されてなかったの、気付いてたんでしょう?」
確かに昔から私が何かを言った時には否定的な返事をされることがほとんどだったし、常に兄弟と比べられたり行動を責められたり、そんな毎日だった。
ただ、私にとってはそれが当たり前で母からそう言われるまで気付かなかったので(もしくは気付かないふりをしていただけかもしれない)大変ショックだった。
歳をとるにつれて、年上の人に可愛がられたい甘やかされたい子供扱いされたいと思うことが増えて、自分が大人になっていくのが怖くて仕方がなくなった。
そして、恋愛対象として好きになるのはいつも年上の人だったけれど、好きな人に酷いことを言って傷つけて自分も傷つきたいと心のどこかで考えてしまうようになった。
こういった「子供のままでいたい」「自分は幸せになってはいけない」気持ちは子供時代の育ち方が原因なのだろう。
自分がこういう風に育ってしまったことも、今では、母も辛かったのだろうと察することが出来てしまうことも、ただただ虚しい。
昔はあれだけ母のようにはなりたくないと思っていたのに気付けば母の投影のように生きてしまっていて、将来への漠然とした不安が拭えない。悲しい。