久しぶりに会ったはずなのに学友はオレのことを覚えていて、
スラスラと会話が成立する。でも何を話しているのかはよく分からない。
わ~だのぎゃーだのヤーだの言いながら、漫画読んだり紙みたいなものを丸めて投げたり。
それがあっという間に誰もいなくなった。そうか、授業か。みんな授業に行ったようだ。
静かになった授業中の廊下を歩いていると急に人恋しくなり、普段は入ったこともなかった職員用の食堂に入る。
すしざんまいといきなりステーキを混ぜたような作りの食堂にも人はまばらだが、知らない顔の先生がちらほらと見えた。
ある先生は、学校の近所の商店主からクレームを受けていた。おたくの生徒がどうのこうのと話していた。
まず謝らなければなあ、と考えていた。生物の先生を探して、まずは謝りたいと考えていた。
なにを謝るのかは分からないが、とりあえず学校に来てなかったことを詫びようか。
ところが長い間学校に来ていなかったので、教室の場所もまるで分からない。
いつのまにか併設されていた中等部の校舎に紛れ込んで、ギャーギャーと生徒がうるさい廊下を歩く。
しかしなあ、なんだろ、もう受験も近いのに、オレ全然学校行ってないなあ。
授業も相当進んでるし、全然ついていけないだろうけどなあ。