実際のところ、真新しい内容は何もない。
国事行為が満足にできなくなるのが理由というのも、この話題が出た頃からニュースで言われていた。
直接意向を示すことはできないので、理解を求めるというスタンスだったのも、大方の予想通りだった。
現行憲法に定められている通り、天皇とは日本国の象徴、国民統合の象徴である。
しかし同時に、陛下は平成という時代の象徴で、いずれ来る崩御によって平成という時代が終わる。
それに比べれば、国事行為が減るなど些細なことで(なんなら摂政にやってもらえばいい!)、
退位という形で平成に終わってもらっては困るという考えすら、心のどこかにあった。
けれども、そういう考えで、将来の国民の支持が得られるだろうか。
今後、「ただ君臨するだけ」という状況が続くことがあれば、さらにその声は増していくだろう。
仮に、共産党が政権を取ることがあれば(今は彼ら自身すら、現実的とは思っていないだろうが)、
彼らはすぐさま廃位に向けて動き出すことだろう。