出題者がなぜ半径を11に設定したのかを雑に考えてみた。まず半径10の場合、100×3.14、なるほど計算しやすい(有効数字で揉めることもない)。計算が苦手な児童もできるだろう。けれどこれはあまりにも簡単すぎる。少し歯ごたえのある問題にぶつかった時に面倒くさいのは嫌だとか言ってすぐにあきらめてほしくない、だから10の倍数はここでは使いたくない。
ゆっくりと取り組めば誰にでも答えが出せる問題が望ましい。3桁×3桁の計算で面積を求めるという経験も積んでほしい。そんな意図があったと思われる。
だからといって計算結果が小数点含め6桁ではちょっとやりすぎだ。必然的に半径は11〜18になる。それぞれの二乗は当然121、144、169、196、225、256、289、324。計算間違いの続出は避けたいから、筆算で繰り上がりのない121を選んだのではないか。11×11?楽勝!111でしょ!なんて早とちりする児童へ早いうちに正しい答えを知ってほしいというのもあったのかも。
まさかこんな騒ぎになるとは思いもしない。
でも、半径11は用いられるべきではない!とも思わないんだよ。使い方によっては、発展的学習やグループ学習に用いることで面白いものになるんじゃないかな。
クラスに1人は円周率を何桁も言える児童がいるだろう。まず3.14で計算させたのち、3、3.1、3.141、3.1415ならそれぞれ面積はどうなるのかを問うてみる。1人では取り組みにくい5桁6桁のかけ算も、ワイワイやれば全員が379と380の違いまで確認できる。
そこに至ったとき、3.14が近似的な値であるのだと実感できるのではないか。「じゃあみんなこれからの円周率はどうする?より正確な3.1415を使うかい?」なんて問いかけをしてみるのも手か。
有効数字という概念を知るのは良いことだけれど、小学校という場で扱っても「わからない」をいたずらに増やすだけなので、止めておいたほうがいいんじゃないかな。
クラスに1人は円周率を何桁も言える児童がいるだろう。 こういう思い込み、どうにかなんないのかな。