かれらは虫けらほどにも思っていない外国人の命に、さも大げさな尊厳を振りかざして交渉を迫ってくる。実現できない交換条件を国に提示しては民意が国の批判へと向かうように扇動しているのだ。
マスコミはまんまと人質の人生物語に群がり、国民は思考を停止して政治の無能さに呪詛を並べているではないか。そうして国は相手への敵意を表明することしか国民を納得させる術を失い、それはつまり彼らに戦う理由を与えてしまっていることに他ならないのだ。
彼らは卑劣だ。どれだけの罰を与えても気がすまないほどに卑劣だ。だがそれ以上に狡猾だ。自分たちの行動によって引き起こされる影響を冷静に計算しているのだ。
介錯の文化をもたない野蛮人にそれは通用しない。