外国人キャバレーみたいなところに行った。そういうところはめったに行くことはないのだが、そういうのが好きな取引先の人がいて、おつきあいすることになった。
白人さんやらなんやらが一人に一人ついて、カタコトで接待してくれる。おもしろいわけではない。退屈だ、早く帰りたいと思っていると、ショータイムになった。
フィリピン人の女2人のボーカル。バックに男1人がキーボード。「君の瞳に恋してる」とかの古い有名曲をやってる。ただのカラオケのショーだろうと思っていたのだが、たしかにリズムはリズムボックスで出してるものの、男が一人でリズムマシーンとキーボードを操作して弾きまくってるのだと気づいた。すごい腕だ。カバー曲とはいえ、本物の音楽を感じた。それに気づいたとき、なんか目から水が出てきて止まらなくなった。こんなすごい腕のミュージシャンが、こんな店で音楽なんか聞く気のない客相手にがんばっているなんてなあ。
(書き捨てなんだけどちょっとだけ追記)
書きかた悪くてうまく表現できなかったけど、泣けたのは場末のミュージシャンがかわいそうとかそういうんじゃなくて、音楽そのものっていうか、彼の自分なりの工夫とかがよくて、あと有名曲や好きな音楽は世界中どこでもいっしょなんだな、みたいな感じだった気がする。こういう外人パブみたいなところでいろんな国の人間が集まってるけど、音楽はいっしょだ。それがいいことなんかそうでないかわからないけど、世界はもうすごく狭いよ。