まず、これは「俗称の提案」ではない。あくまで政府広報やマスコミなどで使われる呼称である。「暴走族」を「珍走団」と言い換えるようなたぐいのものではない。
たとえば「オレオレ詐欺」という呼称は、「オレオレ」と言わない手法が広がったために、むしろ「オレオレと言われなかったから詐欺じゃない」と判断される危険性があった。よって「振り込め詐欺」に改名された。しかし「振り込み」ではなく手渡しによる手法が広がったために、「振り込みじゃないから詐欺じゃない」と判断される危険性があった。よって「母さん助けて詐欺」に改名された(正直これはどうかと思うが)。それらの効果のほどはともかく、お偉いさんの思いつきのような話ではなく、ある程度の必要に迫られて募集されたものである。
「脱法ハーブ」「脱法ドラッグ」という名前には「規制されているドラッグよりも効果(と危険性)が薄い」というようなイメージがあり、その危険性(場合によっては正規のドラッグよりも危険である)が伝わらない。そのための名称変更であった。よって、「もっと馬鹿にした名前でないと効果がない」「もっと極端な名前でないといけない」といった意見は、この目的を理解していない。小林製薬が付けるようなふざけた呼称を、政府広報や新聞に載せられるだろうか。その点、「危険ドラッグ」は一見すると馬鹿馬鹿しいが、「危険ドラッグが危険であることを理解させる」という第一目的はストレートに達成できている。個人的には、まずまず及第点だと思う。
何のために変えられてどこで使われるのかを考慮していない奴が多すぎる。
なんつーか、小話で出てくるような、 お偉いさんが「名前変えてみたらどうかね?」とか言い出して 部下たちが馬鹿らしいと思いながらも仕方なくやってみた、という感。 もしくはこ...
まず、これは「俗称の提案」ではない。あくまで政府広報やマスコミなどで使われる呼称である。 たとえば「オレオレ詐欺」という呼称は、「オレオレ」と言わない手法が広がったた...