昨日、夢を見た。
自分が生まれた場所は田舎で、文化の伝搬が一年遅れで来るような辺境だった。
ただそんなところでも人並みの青春は送れる。部活だったり、恋だったり。
夢で会ったのは、好きだった人だ。
小学生の頃からの友人で、気づいたときには恋愛対象として意識していた。
中学生に上がった頃、その人を想い眠れなくなったことがある。
朝日を迎えたときは我ながらバカだと思ったが、今になってそれが恋わずらいなんだと気づく。
その人は鬱屈し性格に難のあった自分を、真っ向から批判し、優しく諭してくれた。
両親にすら信用されていない自分は、まるでその人のことを聖人のように感じていた。
そんな人と一生過ごせたらどんなにいいだろう。
それはきっと幸福で、どんな苦難でも乗り越えられるのかもしれない。
そんなことを考えて、その人に告白をしようとした。
そう、告白はしなかった。いや出来なかったというのが正しいか。
臆病だった自分は「好きな人いるの」と告白の前にいってしまった。
そのとき初めて、自分のよく知っている人とその人が付き合っていることを知った。
そんな相手と夢で久しぶりに会った。
懐かしい制服。当時は凄く嫌っていたのに、今はとても愛おしく感じる。
そして目が覚めた。
目が覚めると、自然と涙がこぼれた。
もう何年も帰っていない故郷へ、久しぶりに帰ろうと思う。