体罰とか感情的に怒る事が、一時的に効果を出すことはあると思うんだよ。
例えば俺みたいな、怠け者だが人に怒られることをやたら恐れるような奴にはさ。
俺は、怒られると自分が100%悪いと思っちゃう。冷静に考えると相手の方が理不尽でも、そんな気になっちゃう。
だって俺なんて愚図でノロマで怠け者で馬鹿だから、自分ではどこが悪いか分からなくても、怒られるような非がどこかあるに決まっている。
とにかくそんな訳で、怒られるのを避けるために、出来るだけミスを無くして仕事をうまくやろうとする。
よく怒られ過ぎるとミスを恐れて消極的になるって言うけど、仕事が出来てなければそれはそれで怒られる訳だから、与えられた仕事についてはとにかく可能な限りクオリティを上げてやるしかない。
結果的にどの程度上手く出来ていたかは微妙だけど、怒られることへの恐怖が無かったら、俺の仕事のクオリティは多分もっと低かった。
過去形で書いたのは、結局俺はそのストレスに耐えられずに、仕事を辞めてしまったからだ。
俺が去った後の職場で「あの根性無しの腑抜け野郎が!」と誰かが怒っているかもしれないが、もうそれを目の当たりにすることは無い。
で、まあ、皆が皆俺みたいな根性無しではないだろうけどさ。
振り返ると結局、怒られる事によるブースト効果って、一時的だったんだなあと思う。
馬に鞭入れて全力で走らせて、ゴール前に力尽きるみたいなもんで。
最初の頃に俺を怒っていた奴らは、「自分が怒ってやったからアイツもいくらか仕事が出来るようになった」なんて思っているかもしれない。
今俺がこうやって燃え尽きて引き篭もってる事なんか、知りやしないんだろう。