ゲームの実況をしている人がいた。
そのゲームは私の思い入れあるもので、彼の実況の巧みさと徹底されたネタは彼のそのゲームに対する思い入れを感じた。
もう何年もしていないゲームだが、懐古心に擽られ継続的に視聴した。
物語の核心、というわけではないが、ひとつの頂点を迎えるところにきた。
彼は実況を入れないという。いい配慮だと思った。
冷めた。
これまた嫌いではない歌手のよくカラオケで歌う曲でもあるそれが、「大事な」場面でこうも冷ましてくれるとは思わなかった。
コメントを見る。
感動した;;
何音楽批判してる奴いんの?wwやれってことだよ言わせんな(ry嫌なら見るなks
冷めた。そのコメントが本心かどうかなんて知らないが、冷めた。
BGMを差し替えるなら実況の有無など大した問題ではないだろう。なぜどっちつかずの配慮をするんだ?
これまで信じられないほど好セーブを連発していて、この人の作品に対する愛を様々なところから感じた。
しかしどうだろう、その一点のミスを以て積み上げてきたあらゆる感慨を底から打ち崩された感覚になった。
信頼ってこんなに脆いんだな。
大事な局面で失敗すると、80点でも100点でも20点の評価を下したくなってしまう。
客観視って難しい。これまで彼はよくやってきたのに、自分が大事にしているものをひとつ汚されただけで、感情的になってしまう。
どうして、どうして?
ヒステリックになる女性の気持ちなんて露程もわからなかった。男だからってのは関係ないんだな。
今目の前の惨状をどうにかしたい。違う、それは違うんだ、もっといい表現があるでしょ。ねえ。
やりきれない。
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「嫌なら見るなks」
今まで子供の狭量なコメントだなと無視してきたけど、これほど突き刺さるものはない。
信者、か。