2024-02-08

親を亡くして

父親を亡くした。

随分昔に両親は離婚していて、下の兄弟音信不通になって久しい。連絡先も知らないし、今どこに居るのかも知らない。

もうここ十数年は私と父の二人暮らしだった。

私もいい歳だし、父親ももういい歳だし、いずれこうなる日がくるとは思って居たけれど、あまりにも突然で一切気持ちの整理が付かない。

警察署で検案書をもらって、こんな紙切れ一枚で終わりなのか、とお腹の奥がずーんと重くなったのを鮮明に記憶している。

離婚した母方の祖母が近くに住んでいたから、わんわん泣きながら電話をしたら寒い中すぐに駆けつけてくれた。

職場は私が高齢の父と二人で暮らして居る事を承知していたし、急な休みフォローをする体制は整っているか規定休み以上でも気にすることはないと声をかけてくれた。

友人たちにも報告したら優しい言葉をかけてくれたし、いつでも飛んでいく、電話で話を聞くこともできると何通もLINEが来た。

苦労した人生だけど、私を助けようとしてくれる人間が周りにはたくさん居る事を改めて実感することができて、ありがたさから涙が出た。

前職で何週間も一人でホテル暮らしなんてこともやっていたはずなのに、こんなに家に一人で居るのがしんどいとは思いもしなかった。

情けない事に不意に涙が止まらない瞬間がある。これから事務的な処理がたくさん残って居るはずだからきっとそういうことをこなしている間に気持ちが落ち着いて行くのだろうと思う。

ただ、高齢の父を支えて生きていかなければという気持ちに寄りかかっていた自分人生が急に解放されてしまった事で、どこへ気持ちを持って行けば良いのか分からなくなっている。

しっかりものだね、なんて言われて生きてきた自分が知り合いばかりのSNSに弱音を吐くのもなんだか気持ちが悪くて、結局こういう場所に吐くほか思いつきもしなかった。

自分は間違いなく幸せ者だという気持ちがあるからこそ、父に対して私は子供であれたのだろうか、とそんな事ばかり考えている間に寝落ちるような日々が続いている。

いつまでも引きずり続けて生きていく事になるとおもうけれど、それでもきちんと自分人生を歩める瞬間訪れてくれる様に生きていく他ないのかな、と思う。

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