2022-12-26

デス・ストランディングにみるゲームストーリーvsゲーム問題

少し前、デス・ストランディングというゲームをやったことを書く。(今はEpic Games無料なのでDLしておこうね)

とても良くできていて面白かった。特にオープンワールド上で崖にはしごを置いたり川に橋を掛けたりしたのを共有して、みんなで便利な世界を作っていこう、というゆるい共有オープンワールドなコンセプトデザインが良い。誰かが置いた橋で川を渡るときに、社会をみんなで良くしていっているというつながりを感じられるのが気持ちいい。

コンセプトを実現するための周辺デザインも良い。設置物を使い回すというコンセプト上、同じ拠点間を何度も往復させる必要があるが、拠点間の荷物の運び屋という主人公設定でそれが違和感なく実現できている。また、快適な移動のために強力な設置物や乗り物が用意されている一方で、設置物を除去するための時雨乗り物から下ろすためのBTという設定も収まりが良い。カイラ通信の設定などは最たるもので、行ったことがない地域では共有要素が使えなかったり、移動困難な拠点間で社会性が維持できるという理由付けに役立っている。

そして何より、重厚ストーリーがとても良い…良いのだが、ただここに問題がある。ストーリーが良すぎるのだ。ストーリーが気になってどんどん話を進めたくなってしまう。すると、せっかく緻密に練られた共有オープンワールドというコンセプトで遊ぶというより、ストーリーを見るために配達業務をこなす、というふうになってくる。だんだん配達面白さより面倒くささが大きくなる。まあ、この辺は人によって遊び方が変わってくるのだろうが、私の場合配達クリア後にやればいいだろうと思って、とにかくストーリーが気になって必須イベントを先に進めてしまった。その結果、クリア後に一気に重厚イベントがなくなってしまうので、配達業務スパイスがなくなってすっからかんな印象になってしまった。ゲームを始めた最初のころは共有オープンワールド配達するだけで楽しめていたのに、もはやストーリーというご褒美がなくなるとなにか物足りなくなってしまったのだ。(それでも国道復旧くらいはやったが)

デス・ストランディングプレイして思ったのは、重厚で素晴らしいストーリーは、実のところ、ゲーム性的な面白さの妨げになるのかもしれないということだ。例えば同じく私が好きなゼルダBotWは、ゲームストーリー自体はとても簡素だ。私の場合ボスはほったらかしでフィールドを走り回って楽しんでいた。もしBotWで、先が気になるような重厚なストーリーが次々と提示されていたらどうなっていただろう?先が見たくて一気にクリアして、その後ストーリーがなくなった世界フィールド探索をちゃんと楽しめるだろうか?まあ、実際はそれなりに楽しんで探索するのだろうが、それでも少し気が抜けたように感じられるのではないか

すべてのゲームストーリー簡素であるべきだとは思わない。実際、デス・ストランディングストーリーは素晴らしいものだったし、それを見るだけでもプレイする価値はある。ただ、ストーリーゲーム性は少し食い合うところがあるように思える。それらを両立するにはどうすれば良いのだろう。

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