男はつらいよという作品は車寅次郎の人情あふれるストーリーが売りだったが、内容を見てみると人情というよりか…
車寅次郎がどれだけワガママで理不尽な行動をして周囲に迷惑を振りまいていたかを映像にしただけにしか思えなかった。
女性問題では、ヒロインに対しいい顔をしているだけでそれによって生じた周囲への迷惑は「オレが悪いのか?!」と怒鳴り声をあげて、世話になっている叔父さんや叔母さんの心の負担を与え続け、妹のさくらとその旦那に対しても迷惑行為によって振り回していく。
これがなぜ人気が出ていたのかが不思議と感じる。
フーテンの寅と自称するが、単に無職のおっさんである。露天商をやっているが適当に拾い集めたのを売っているようなものでホームレスが少し行動的になった程度だ。
やっぱりなぜ人気が出たのかが分からない。
行く場所行く場所で騒ぎを起こし、時には無銭飲食で妹を無理やり遠出させ迎えにこさせているにも関わらず、寅次郎は人に迷惑をかけても知らん顔で温泉に入っていい気分である。
妹に説教されても逆ギレを起こすか、ふてくされた顔。叔父さんの家に戻って説教されれば怒鳴り声で逆ギレ。挙げ句に旦那が勤めている工場の社長と大喧嘩。
身銭も何も持っていないのに人様の金は平気で使い、何が悪いのか?と理解してない歩く迷惑行為者。
人情のシーンは全体の数分しかない。毎回いつもの音楽で締めくくって終わるだけで、殆どは自分勝手な生き様でヒロインを振り回す、勝手に惚れて勝手に勘違いして勝手に振られるという流れ。
良いところもあるんだよという人もいるが、ほんの少しの良いところのために、大部分の自分勝手な行動を相殺できるわけはないのだけど、その少しの良いところを評価する人も居る。
でも理解できない。
あれはなぜ…そんなに人気が出たのだろうか。