アニメ・アンパンマンの「アンパンチ」について、幼児が暴力的になるのではという話題になっている。
私・元増田としては、アンパンチに関しては別の意味で問題になるのではないかと考えているので、これから書いてみたい。
現代社会では、暴力を行使する正当性を持っているのは警察や軍隊、裁判所などの限られた機関だけである。
詳しい話は、マックス・ウェーバーの『暴力の独占』の項目を読んでもらうとして・・・
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9A%B4%E5%8A%9B%E3%81%AE%E7%8B%AC%E5%8D%A0
分かりやすく言うと、一般人は暴力を行使してはならず、許されるのは国家機関だけだということ。
では、アンパンマンの暴力は私刑ではないのか、ということである。
アンパンマンが国家からその権限を委託されているのであれば、いいかもしれない。しかし、「アンパンチ」を行使するのであれば、毎度裁判所に許可を求めなければならない。
何が言いたいかというと、国家によって管理された暴力であればいいと思うが、管理されていない暴力は非常に危険だということである。
アンパンチの何が危険かと言えば、子供たちは「正義」さえあれば悪者を懲らしめてもいい、という価値観を植え付けてしまう可能性がある。
日本では、平安時代まで寺社が武装していたことがよく知られているが、そのせいで戦乱が絶えなかったではないか。
アンパンマンの住んでいる世界には、主権国家という概念が存在しているようには見えないし、暴力を行使できる軍隊や警察も存在していない。
北斗の拳世界のようなものだと考えればいい、と言えば納得できるが、それはそれで幼児たちに悪影響を及ぼす可能性が高いのではないか。
バイキンマンは現行犯で暴れている戦争野郎なんだから、殴って止めざるを得ないだろう。