体を重ねるよりピロートークをずっとしていたい。そんな思いを汲んでくれて、
あずまんが大王と桜蘭高校ホスト部の話で盛り上がれる泡姫の元に今日もまた通ったら、六月で辞めるねと告げられた。
お嬢いわく、小学校の頃はドッジボールで男子のボールをキャッチしてガンつけるのが好きだった。
お嬢いわく、背の順と名前順は表面上の公平さを歌いつつ実際は不平等な社会に初めて出会った瞬間だった。(どっちも後ろの方だったらしい)
お嬢いわく、小学校低学年の時にお兄ちゃんのタンスにあった、蔵馬と飛影のBL18禁同人誌を読んじゃって受けた衝撃が今でも忘れられない。
お嬢いわく、Mステの曲をカセットで録音すると、ガシャコンって音だったり救急車だったりバイクの排気音だったり、時々家族の声も入った曲をいつも聞いてた。
汲んでも汲んでも干上がる感じはなくて、昔話は続いていく。そんな話をずっとしていた。
生まれ変わるなら17才ー18才の女子高生がいいというお嬢に、僕は13歳だと言ったときのお嬢の表情を観て、
お嬢はなんでも話を合わせてくれるのだけど、ちゃんとひくこともできるんだなとそんなことを考えながらずっとその顔を観ていたくてガン無視して話しつづけた。
店頭にイリヤの空、UFOの夏を持って行ってレジのお姉ちゃんにドキドキしたその感情をまた取り戻したいんだと早口熱弁は止まらない。
お嬢の言葉にわかる、それな、せやな、知らんけどと相槌を打つたびに強く滾る感情に、今日も不発だった短小銃の代わりだと思った。
昭和生まれも後一年で二十代から消える今、一昔前のオタばなで花を咲かせることもだんだん難しくなってきた中で、歳を隠さない彼女には救われ続けている。
スマホの入力の打ち方がフリックでもなぞり書きでもなくてガラケー打ちなのを見るたびに、auのイチマツを使って初めてメールを顔も忘れたクラスメイトに送った当時を思い出してまた、話が止まらない。
世界広しといえども今日もお世話になったあの人だけだろう。深く深く感謝したい。しながら寝る。決して安くはないが、今日途中で盛り下げたおそ松さんの話をするためにまた再来週あたり行くだろう。