世の中の大多数が勘違いしているので、言いたい。
ウェディング業界が煽るような嘘くさい「一生に一度の体験」とか「最高の感動」、その他にも「家と家が結びつく儀式」だとか「結婚してこそ人として一人前」だとかそういう価値観。それらは結婚に価値があると信じている人にとってのみの価値にすぎない。その価値はマジョリティが押し付けあうことで、その社会の中で再生産され続けている。日本の場合、結婚した者への法的な補助・メリットもそれを助長している。
金やダイヤの価格と同じように、それは、みんなが欲しがるから価値があるように見えるだけの幻想だ。
それを疑いもせずに結婚に憧れる若者、社会や他人の考えを自分の思考として刷り込まれていることに気づけ。結婚は幸福を保証しない。
それを疑いもせずに結婚を信じる中年、自分が何も考えずに社会や他人に迎合したことを恥じろ。生き方を見つめなおすことは恥じゃない。
それを疑いもせずに結婚を強いる老人、あなたたちの生き方には何も言わない。だから恥ずかしいイデオロギーを吹聴しないでくれ。
本人が満足していればこうした幻想に金や時間を費やし続けたって構わない、という意見もあるだろう。だが、こうした反理性・反合理主義的な考えを社会に残し続けることは害悪だ。
それでもなお結婚の価値を個人の意志で認め、選択するのであれば何も言うまい。それはもはや立派に啓蒙された人間だから。
以上、既婚者より。