1890年代、デンマークに数学や音楽の問題に正解の数だけ床を脚で叩いて答える
ハンスという名の馬がいた。当時、高度な知性を持つ馬として一躍有名になり、
クレバー/賢いハンスと呼ばれていた。
ところがその後、これにはトリックがあり、馬自身が問題を解いていた訳ではなかった
ことがわかり、超常的な力を持つ馬という伝説は覆された。
心理学者が調査した結果、ハンスは、質問と答えを知っている現場の人間の動きを見て
答えを出していたことがわかった。ハンスは質問者が問題を出すと、とりあえず
床を叩き始める。そして、正解の数に差し掛かると、答えを知っている質問者は「ここで
終わりだ」とか「終わってほしい」といった期待(予期意向=予め期待した意向)のあまり
無意識のうちに体のどこかをわずかに動かしてしまう(不覚筋動という現象)のだそうだ。
ハンスはその微細な筋肉の動きを捉えて正解を得ていたのだという。
クレバーハンス効果が問題となる事項として、警察犬による臭気選別が挙げられる。 警察が警察犬を用いた臭気鑑定を行う際、クレバーハンス効果によって、警察犬が臭気の感知がで...