2015-10-17

「いい人がいない」のメカニズム

はてブで、「いい人がいない」のメカニズムというスライドが上がっていた。

「いい人がいない」のメカニズム

http://www.slideshare.net/KanameHayashi1/ss-54044195

「いい人がいない」のメカニズムはてなブックマーク

http://b.hatena.ne.jp/entry/www.slideshare.net/KanameHayashi1/ss-54044195

比較好意的コメントが並んでいて驚いたので、違和感を書き留めておきたい。

違和感は主に2つある。1つ目は時間軸と性質意図的混同していること。2つ目はものとひとの性質意図的混同していることだ。

時間が短いうちは表層的なところしか見えないが、時間が経つと内面が見えるそうだ。本当にそうだろうか。

例えば、初めて会ったときに何か親切を受けて内面的な魅力を感じる人もいるだろうし、時間が経って「変わってしまった」と感じる場合もあるだろう。

製品開発においては「同じコスト、開発期間、開発環境」が同じであれば、全体としては似たようなもので、どこに重点がおかれているか違うだけであり、人についてもポテンシャルに大差はなく、どこが得意かが違うだけだとのことだ。

例えば、皆さんの周りを見渡していただくと、果たして魅力を「合計」すれば同じような人ばかりだろうか。そう感じる人はむしろ少数派なのではないだろうか。「同じコスト、開発期間、開発環境」という言葉を人にむりやり当てはめるのであれば、「育った家庭等の経済力、年齢、生活環境」と考えられる。「詰め込み教育主体若いうちは人のポテンシャルに大差はない」そうだが、例えば、高校生くらいでも十分に千差万別と言えるだろう。ましてや、このスライド対象としている女性はおおよそ20代半ば以降と思われるので、違いはより顕著だろう。

しかすると、この合計は「それまで」(傾きに合計が同じという仮定が入っているが。)ではなくて、「一生」の積分だという反論もあるかもしれない。しかし、これも時間軸と性質混同させているところが変で、例えば、上に書いたとおり、初めて会ったときに何か親切を受けて内面的な魅力を感じる人もいるだろうし、時間が経って老けていくことに表層的な魅力が減ったと感じる人もいるだろう。

また、これらの指標はそれぞれに注目すれば、全く真っ当なためにうまくミスリードできているという印象を受ける。

出会ってすぐは表層的な魅力を感じるのに対して、時間が経つと内面的なところも見えてくるのはその通りだろう。

第一印象で、その様な魅力の基準で人を判断してしまうのもその通りだろう。

内面に比べれば、外面を向上させる(当人にとって好ましい方に変える)方が比較的簡単なのもその通りだろう。

などなど、どれも個別に見れば、多くの人が同意できるような内容になっている、と思う。

しかし、それらを意図的にせよ、非意図的にせよ組み合わせてしまったことで、おかしな話になっていると思う。最初に疑問系で書いたが、このような話が好意的に受け入れられるのは、ある種の希望を反映しているという感じがする。

「だろう」ばかりになってしまったが、これは元スライドと同じように単なるイメージに過ぎません。

  • 合計が同じという仮定が入っている ここに同意で、元記事では「魅力の総量が同じ」という前提がある。 元記事は、現実にありうる「第一印象が良くて、内面も魅力的だった」とか「...

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