ペットショップで猫を購入して二年経つ。
インターネットではあまり評判の良くないショップから購入した。評判どおり、というべきか値段は安かったが衛生状態が良くない環境に置かれていたせいか最初から風邪をひいていた。ショップに予約をしてから会いにいったとき、くしゃみをしながら鼻水を垂らしていて、そのまま連れ帰るべきか、それともショップで体調を整えてもらってから改めて引き受けにこようか、悩んだ。
ショップ店員は、「迎えにきてもらって良かったね」というし、私もいざ抱っこしてみると離れがたく、結局その日に一緒に帰った。
そのあとが大変だった。
風邪は三ヶ月経っても治らなかった。くしゃみをしては鼻水をあちらこちらにまき散らした。病院にも頻繁に連れていき、獣医さんにも「これ以上は出来ることがない。アレルギーかもしれないから材料の違う食事を何種類か与えてみて探ってみましょう」ということになった。何種類も試したがたいした変化はみられなかった。そのうち結膜炎と外耳炎も併発し、いつもぐちゃぐちゃの顔をしていた。
結論をいえば、半年以上経ち身体がだいぶ成長したら自然と良くなった。避妊手術をしたせいか、元来の性格なのか、二歳を越えた今でもあらゆるものに好奇心をもって元気に過ごしている。
買っておいてなんだが、私は「ペットショップで買う」ということに抵抗があった。むしろ、嫌悪感さえ抱いていた。生命を金銭でやり取りする、といえばセンシティブすぎるかもしれないが、そんな気持ちがずっとあった。
「猫と暮らしたい」と考えたときに、保護猫の里親になるという選択もあるが、よく知られているように一人暮らしの里親希望者のハードルはおそろしく高い。実際に人間ひとり猫一ぴきで暮らしてみると、金も時間も予想外にかかるものだし、そうしたときにイージーカムではイージーゴーするだろうなと思うので、それもしょうがないのかもと考えられるようになったけれど。
ペットショップから購入する人がいるから無駄に増やされている生命があるのかもしれない。でも「いますでに産まれてケージの中で生きている生命」は誰かが責任をもって引き受けるべきではないか。しかしそのせいで更に増やされる生命......。
なんてことを延々考えたが、結局私は今一緒にいる猫が生命を全うするときに「一緒に暮らせて良かった」と思ってもらえるように今日も猫に尽くすだけ。