本件の印象は、「初動でつまずいたが、うまくリカバリしつつあるな」というものである。
推測だが、本件は、次のような流れなのではないだろうか。
→3. 5/25時点 危機管理に強い弁護士・コンサル投入(←イマココ!)
5月16日の発表(http://www.yoshimoto.co.jp/cmslight/resources/1/108/120516.pdf)を見てみよう。
しょっぱなから「週刊誌の記事やインターネット上の風説が流布されており」と書かれている。
通常、「風説の流布」とは、金商法上の用語として用いられるもので、法律家であればこのような文脈では使わないから、おそらく広報担当部署のみでの対応であったのだろう。
普通は、広報担当者には危機管理能力の高い人間を置くものだが、非上場化したので株主に叩かれることもないし、元々吉本ということでマスコミに叩かれることはないから、適当な人材を置いて対応しているのだろう。
更に、主語と動詞の関係を見ても、「週刊誌の記事…が流布されており」となっており、意味をなしていない。
アホくさいのでこれ以上は詳しくは触れない。
2.の時点でも、弁護士を入れて火消しに走ったようだが、イマイチだったようだ。
http://www.kotono8.com/2012/05/25komotojunichi.htmlによると、
とのことだが、当たり前である。記者会見で話したことは、吉本側の言い分であるのだから。
過去に発表した事実と矛盾しないように、かつ、新たな事実が判明しても嘘にならないように、巧妙に仕組まれている。
(そうでなければ、吉本側も高いフィーを払っている意味がない。)
2から1週間経って、満を持しての会見である。予行演習もバッチリやって、想定問答もバッチリ用意されているだろう。
タイミングについても、おそらくは木曜日発売の週刊誌で報道されることを見越してのものだろう。
更に、土日の情報番組で何度も取り上げられることも期待しているのかもしれない。
5月25日の発表(http://www.yoshimoto.co.jp/cmslight/resources/1/109/120525.pdf)も、垢抜けている。
ざっと見ても、(1)まず謝罪から入り、(2)(過去の行為の)責任を認めない(「自主的に」、「違法な行為があったことを前提とするものではありませんが」、「道義的な責任」)、(3)(将来の行為に対する)明確なコミットはしない(「…予定でおります」「…調整させていただきたいと考えております」)、(4)謝罪で〆る、という綺麗な流れである。
とのことであるが、このような人は、ディフェンス側の企業から見ると、善意であればあるほど、ありがたい。