2012-05-26

re:河本準一氏叩きで見失われる本当の問題

 本件の印象は、「初動でつまずいたが、うまくリカバリしつつあるな」というものである


 推測だが、本件は、次のような流れなのではないだろうか。

 1. 5/16時点 広報担当部署レベルでの対応

→2. 5/18時点 弁護士投入(片山議員との面談に同席)

→3. 5/25時点 危機管理に強い弁護士コンサル投入(←イマココ!)


1.の時点での対応は、めちゃくちゃであるゼロである

 5月16日の発表(http://www.yoshimoto.co.jp/cmslight/resources/1/108/120516.pdf)を見てみよう。


 しょっぱなから週刊誌の記事やインターネット上の風説が流布されており」と書かれている。

 通常、「風説の流布」とは、金商法上の用語として用いられるもので、法律家であればこのような文脈では使わないから、おそらく広報担当部署のみでの対応であったのだろう。

 普通は、広報担当者には危機管理能力の高い人間を置くものだが、非上場化したので株主に叩かれることもないし、元々吉本ということでマスコミに叩かれることはないから、適当人材を置いて対応しているのだろう。

 更に、主語動詞の関係を見ても、「週刊誌の記事…が流布されており」となっており、意味をなしていない。

 アホくさいのでこれ以上は詳しくは触れない。


2.の時点でも、弁護士を入れて火消しに走ったようだが、イマイチだったようだ。


3.そして、本日対応は、なかなかである

 http://www.kotono8.com/2012/05/25komotojunichi.htmlによると、

記者会見によれば……、以下のような経緯である」、「ここに河本氏や母親の問題は一切ない」。

 とのことだが、当たり前である記者会見で話したことは、吉本側の言い分であるのだから

 過去に発表した事実矛盾しないように、かつ、新たな事実が判明しても嘘にならないように、巧妙に仕組まれている。

 (そうでなければ、吉本側も高いフィーを払っている意味がない。)

 2から1週間経って、満を持しての会見である。予行演習もバッチリやって、想定問答もバッチリ用意されているだろう。

 タイミングについても、おそらくは木曜日発売の週刊誌報道されることを見越してのものだろう。

 更に、土日の情報番組で何度も取り上げられることも期待しているのかもしれない。


 5月25日の発表(http://www.yoshimoto.co.jp/cmslight/resources/1/109/120525.pdf)も、垢抜けている。

 ざっと見ても、(1)まず謝罪から入り、(2)(過去行為の)責任を認めない(「自主的に」、「違法行為があったことを前提とするものではありませんが」、「道義的責任」)、(3)(将来の行為に対する)明確なコミットはしない(「…予定でおります」「…調整させていただきたいと考えております」)、(4)謝罪で〆る、という綺麗な流れである

河本準一氏の母親・姉・叔母二人の「生活保護不正受給」問題が騒がしいが、わたしは河本氏叩きにはまったく賛同できない。

 とのことであるが、このような人は、ディフェンス側の企業から見ると、善意であればあるほど、ありがたい。

 「ディフェンス側の企業としてどう対応するか?」をまず考えてから論じないと、企業の手のひらの上で踊らされるばかりである

もっとも、上記ブログ記事は少々論旨が破綻しているため、分かっていて敢えて曲解しているだけかもしれないが。)

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