はてなキーワード: ヴィジュアル系とは
28歳。サラリーマン。僕の住む家の近くに、こんな家がある。
クリーム色の外壁は雨風で薄汚れていて、玄関のドアは新しくペンキで塗りつけられたのか、光沢ある深緑色。家の前に止めているのは鍵の壊れた「チャリ」と、よくわからないシールが貼られたヤマハのジョグ。
夏になればその家の2階の窓は開け放たれていて、日本のパンクバンドの歌声が聞こえてくる。多分ipodとかではなくCDラジカセとかから鳴っているに違いない。会社からの帰り道、中学生か高校生の男の子が、その家の前でうんこ座りをしているのをよく見る。前を通る度、ちょっと緊張する。
今夜、その家の前を通りがかったとき、中の様子が望めた。漫画が中心の本棚の上に地球儀が乗っていて、その横には有名らしい海外のサッカー選手のポスターが貼ってあった。
それを見て、友達の家には必ずポスターが貼ってあったことを思い出した。やはり有名なサッカー選手だったり、ヴィジュアル系バンドであったり、グラビアアイドルであったりした。
子供の頃、友達の家に行くのが楽しみで、他人の家のニオイが好きだった。学校で会う友人とは違う一面を見ているような気がしていた。そして、自分の実家の部屋には何も貼っていなかったことも思い出した。
それなりに少年時代は好きなバンドやマンガや小説なんかがあって、それを幼稚なパーソナリティの源泉にしていた。むしろ、マイナーな海外バンドのインタビュー記事から、自分の人生訓を見出していた典型的な中学二年生だったと思う。
なのに、僕はそれらのポスターを貼らなかった。別に小奇麗な部屋でもなかったし、画鋲の穴を気にするような性質でもなかったのに。
さっきの家を通り過ぎて、オリジン弁当を買いにいく道すがら、ずっと考えていた。店について、紅鮭弁当を注文して、弁当が出来上がるまでにひとつの答えを出してみた。
どんなポスターだって、親の目には触れるし、家に呼んだ友達も見るかもしれない。何より毎日、自分がそのポスターを眺めることで、「自分はこれが好きなのだ」と言い聞かせることになる。好きなものを好きだと表明することは覚悟がいるのだ。
何者かになると言うことは、その覚悟をするということだったんじゃないか?その覚悟とのギャップを埋めるために、努力することだったんじゃないか?
満足とも不満足とも言えない今のサラリーマン生活から、ふと出した答えだった。
僕はポスターを貼らなかった。剥がしたくなるようなポスターもない。紅鮭の皮を剥がしながら、この事は忘れないでおこうと思った。
ちょっと前までバンドの練習に高田馬場の音楽館というスタジオを使っていたのだが、以下の理由で場所を変える事にした。
・坂を登って階段を降りなければいけない
・20畳クラスの部屋がありビッグバンドがよくやってるので、入替時間はロビーがごった返す
・ロビーのラジカセからL’Arc~en~Cielが流れている
・それどころか聴いたこともないヴィジュアル系の曲が流れている
こちらは
・道中坂も階段も無い
・入替が混雑しない
・駐車場がある
・ロビーにL’Arc~en~Cielがかかっていない
といったメリットがあった。
しかし何回か行く内このメリットも無効化するようなデメリットが顕在化してきた。
それは店員が激烈にむかつくという事である。
どうむかつくかというと
・5分前のピカピカが光ったが早いか部屋に入ってくる
・片付け中なのもお構いなしにセッティングを始める事がよくある
・店員がマイクを片付けてくれて、マイクスタンドにセッティングしていたのでそのまま部屋を出て会計しようとしたらマイクを持って来て下さいと言う。さっきお前セッティングしてたじゃねぇかよ。
とまあこんななんだが、ちょっとこの説明だけでは、「それは当たり前では?」と思われる方もいるだろうし、全くこちらに非が無いかというとそんなことはないだろう。
文字にするとそれほどでもないがどれもこれも付加的なむかつき要素がこもっているのである。
あいつらがいかにむかつくかがいまいちうまく伝えられないのが残念だ。
別にスタジオの店員に俺は愛想良くしろとか言いたいわけではない。
アマチュアではあるが12、3年バンドをやってるわけでスタジオの店員はそんなもんというのも分かっている。
でも今までの12、3年でいろんなスタジオに行ったけど、こんなにも腹が立つのはここが初めてだ。
しかもむかつく店員がいるとかじゃなくて、店をあげてむかつかせるのである。
思い出すだけでみぞおちの下辺りがヌラヌラしてくる。
もっとも解決策は簡単で、高田馬場の残るスタジオ、NOAHに場所を変更すればいいのである。
願わくはNOAHの店員がむかつかないこと、そしてL’Arc~en~Cielがかかっていない事を祈るばかりである。
あと別にこんなの匿名で書くほどのことじゃないんだけど、なんか他の人にも見て欲しかったので、ここに書きました。
同じ内容のエントリーをhttp://d.hatena.ne.jp/ono-win/でも書いています。
2008年12月2日、音楽ニュースサイト『ナタリー』にてこんな記事が配信された。
http://natalie.mu/news/show/id/11396
9nineのCha-ponこと西脇彩華が、GOATBEDの石井秀仁とエレクトロポップ・ユニットORDINARY VENUSを結成。12月17日にデビューアルバム「ORDINARY VENUS」をリリースする。
このユニットでは石井がトラックメイキングやアートワークを手がけ、Cha-ponがボーカルを担当。松田聖子、工藤静香、Wink、南野陽子、中森明菜、宮沢りえ、早見優などの1980年代名作アイドルポップスが、GOATBEDならではのキラキラした艶やかなサウンドで蘇る。
どうやらperfumeのメンバーの一人である西脇綾香の妹がメジャーデビューするらしい。
perfume妹+電子音? これはもろに便乗じゃないか……。そんな考えが脳みそに掠める。
プロデュースする人物はGOATBEDの石井秀仁という人物が行うという。石井秀仁? いったいどんな人間だろうか。
ヴィジュアル系バンド『cali gari』のボーカリストで解散後の現在は『GOATBED』の名前でソロ活動中……。調べてみると2chのテクノ板にスレッドがあったりとやはりそちら寄りの人間らしい。「perfumeみたいのを作ってくれ」と頼まれたのだろうか?
しかし、楽曲を聞かずに便乗だ、パクりだと言うことはできない。
それに80年代のアイドル歌謡をカバー、とそれなりの一捻りは加えてある。全然違う雰囲気のものになる気もする。
では、聞いていただきたい。
http://jp.youtube.com/watch?v=5GoY0wnE8xY
こ れ は ひ ど い 。
わざわざ全曲ボコーダーで声を変えてperfumeのパクリであることを強調している。
身内がこんなに堂々とパクリ楽曲を出していいのだろうか? 臆面もなくよくできるものだ。トラックも安っぽくてチープ。
ポストモダンな状況では既存のピースの組み合わせこそが創作であり未来を思考するならパクりまくるべき、
これは「新ジャンル・近未来パクリポップ」だとでも言うつもりだろうか?
最近は音楽業界も斜陽だと聞く。様々な要因が考えられるがこのような志の低い作品をリリースしてしまうのも一因なのではないか。
──最近は中田さんのフォロワー的存在も増えてきましたが、それはどう捉えていますか?
中田ヤスタカ:好きでやってるんだったら良いと思いますけど、売れると思ってるんだったらいらない(笑)。あと、作ってる奴がインタビューとか受けた方が良いと思う。それは歌ってる人じゃダメって訳じゃなくて、作ってる人が好きなのかが気になる。「今はそういうのやっとこうぜ」ってやってんだったらもう死んで欲しいね(笑)。
中田ー、うしろうしろ!
最近、自習室に行っても全然落ち着かない。むしろいらいらしながら過ごしている。
研究が進んでないとか、そういうのもあるけど、PCで音楽を聞いてる奴がするからかなと思っていた。別に音楽を聞くこと自体が嫌なわけじゃない。多分音楽の趣味が全く合わないんだと思う。
どうしようもないなあ、と思っていたら、根本的な原因を思い出した。
彼は二ヶ月ほど前、私の好きなスポーツ選手を侮辱した。彼は私がその選手を心底応援しているとは知らないし、私がたまたま彼の会話を聞いてしまっただけなんだけど、でも腹が立った。許せなかった。
多分そこから私は彼が嫌いになったんだ。する事なす事全部気にくわなくなったんだ。
どうしようもないよね。
友達に大好きなバンドを薦めてくる子がいるんだけど、それがしつこくてしつこくてもう嫌です。
それに俺そんなにそのバンド好きじゃないんですよね。ヴィジュアル系って言うのかな。いや確かにヴィジュアル系は好きだって言ったことはありましたよ。見ている分には面白いじゃないですか。綺麗だし。マリスミゼルとか昔いましたよね。一枚だけCDも買ったことがありました。だから好きだと言ったんです。ヴィジュアル系が好きだと言ってしまったんです。
そしたらその子、次の日に彼女が好きだと言うバンドのCDとDVDを何枚かを持って来て俺に手渡しました。一言、「貸してあげる」と添えて。いや、貸してもらえるのはまあ嬉しいことには違いないんですが、誰も貸してくれなんて言ってないし、俺そのバンドに全然興味ないですから…。
でも断れませんでした。だって、あの子の笑顔が嬉しそうに輝いていたんですから。もしも断れば、花の萎れるようにこの笑顔も消えてしまうんです。そう思うととても怖くて断れたものではありませんでした。だから俺、満面の笑みを以て彼女に「ありがとう」と言葉を返すことしかできなかったんです。
ああ俺、この子が絵売り女になって駅前に現れたら、間抜けな顔して付いて行っちゃうかも知れない。絵も買っちゃうかも知れない。俺って馬鹿。でもいいんですよ。まさかCDとDVDを売り付けるって訳でもないですし、好意だけで貸してくれたんですから嬉しいじゃないですか。
帰り道、俺はきっと浮かない顔をしていたんでしょうね。渡されたCDとDVDを割れないように丁寧に持って帰っていきました。家へ帰っても、借りたCDとDVDを聴く気にも観る気にもなりませんでした。そもそも興味がないんですから。
興味のないものを借りようとする人なんているのでしょうか?興味があるからみんなレンタルビデオ屋にビデオを借りに行くんです。客が興味のないビデオしか貸し出さないレンタルビデオ屋なんてすぐ潰れるに決まってます。でも俺は借りてしまったんです。
もっと心に余裕があれば興味がなくとも聴いていたかも知りませんが、あいにくそんな心の余裕を持ち合わせていませんでした。ですから、部屋の隅っこへCDとDVDをタワーにして積み上げて置くしかありませんでした。
翌日、案の定彼女に訊かれました。「昨日貸したの、聴いてみた?」って。聴いてません。何も聴いてません。忙しくて聴く暇がなかったと言いました。すると残念そうな顔を見せながら、「アルバム何々の何曲目がお勧め、忙しいならこれだけは聴いてね」と言います。
彼女は意地でも聴かせようというつもりです。何と優しいのでしょうか。俺がそのバンドに少しでも興味があれば本当に良かったんですが。お勧めの曲だけは聴いてくれなどと言われてしまっては、もう聴くしかありませんでした。
帰宅してとうとう聴いてみましたが、それといった感想が湧いてきません。男の色っぽい声だけしか頭に残りません。ああ、もう本当に興味がないと感想すら思い浮かばないんですね。早く聴き終えたいという思いしかありませんでした。
こうなると感想を捻り出すしかありません。そこで嫌々もう一度曲を聴き直し、感想をなんとか掴みました。ヴォーカルの声質が良い、ギターの音がいい。どういいのかは知りませんが、とにかくいい。そう思うしかありません。
そしてまた翌日、彼女に昨日と同様に訊かれました。「どうだった?」ヴォーカルの声が優しかった、癒された。などという言葉が口をついて出ました。少しも癒されてもいないのに。
愚かしいことにこの嘘が彼女を喜ばせてしまいました。可愛い笑顔が見られたのはまた良かったんですが。でもこのこと以降、彼女の中で俺は同じバンドのファン仲間だと認識されてしまったんです。
それ以来、残りのCDやDVDを鑑賞するように催促されて実際に全部聴いてしまったり、ファンクラブの過去の会報をプレゼントされたりもされました。来年のカレンダーを一つ余分に買って渡してくれたりもしました。一体どうしろと言うんでしょう。挙げ句の果てに今度ライブへ行こうなどとも誘われています。その都度スケジュールが合わないことを言い訳にしていますが、こんな自分がアホらしくなってきます。
でも今さら興味がないなんて言えないし。もしも言ったら、きっと裏切られたと思われて関係が破綻してしまうかも知れません。どうして一番最初にこのバンドには興味がないって言えなかったんでしょうか。馬鹿ですね、俺って。