2024-08-01

8/1 駅のホームにて

混雑している新幹線乗り場 家族連れは立ち尽くし子どもはL字のキャスターバッグに跨ってぼうっとした表情で熱気の中を堪えている 親は高い位置に頭を置いたまま足元の熱気から遠ざかっている 地上に近い方が暑いことを大人になると忘れてしまうのだ

自由席乗り場には3人ほどスーツ姿の男性が並んでいて 整列用の線を無視して日差しから逃れて並んでいる

そこで生きているだけで首筋に汗をかき明日自分風呂を任せる選択肢を失いつつある マスクの中には高いファンデーションの爽やかな甘い匂いが篭って だから化粧品に金をかけるのだとどこかで納得する

ホームに設置された席は全部埋まっているのに一つだけ席が空いている その周辺にも沢山の大人子供が立っているのに誰も座らない 譲り合う相手もいないわたしは座りたいのになぜその席だけ空いているのかと不安になってなかなか座れない

しばらくみていても周囲の人もそうなのか皆座ろうとしない 不安が加速する その時何も考えていなさそうな老婦人が座った 何もない

彼女が一番正しい

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