本件で、中部精神事務所からの弁明、 都知事の弁明の趣旨は、請求人には、昭和63年ごろから広汎性発達障害が発現しているなどということを特に疑問視することもなく採用している。
しかし、明らかな事由として、請求人の病状は、黒羽刑務所の訓練によって発現しているのであり、逮捕以前は、田舎で祖母と暮らしていてただの日本人であったのであるから、都知事の弁明には、経時的なつながりがない。次に、黒羽刑務所の訓練で発現した病状について、出所後に、延岡市では、アスペルガー症候群と統合失調症と診断している。そして、黒羽刑務所で発現した病状が、この10年間で回復する理由が存在しないのであるから、本件で、10年前から、1級→2級→3級と次第に回復しているという主張は、合理性がない。