距離がだんだん開いていくのは当たり前で、この距離の間に入ってきているものは本来彼女が持っていた数多くの人間関係などで、つまりそれを取り戻していっているのだから喜ばしいことだ。一方で俺は開く距離に耐えられず無駄な連絡などをしてみたりしている。いっそ断ち切ってしまえたら楽だという思いもあるが、それは彼女に心理的負担をかけるかもしれない。また、そうはいっても回復の途上にあるのだから、定期的な観測も必要ではあるだろう。というわけで「生殺し状態だ」などと嘆いているが、それは彼女の意思ではもちろんなく、俺自身が勝手に独りで寝床で喘いでいるだけだ。狭く暗い場所に閉じ込められた惨めな両生類のような気持ちで、ちょうどいいフェイドアウトの方法について自問してみたりしているが、もちろんのこと答えは俺の中にない。俺に中にないならこの狭い世界に答えはない。そうして俺は彼女の薦めてくれた本を読んだりしている。暗い場所で、終わりを先延ばしするために
23.9.28 役割はほぼ終えたと言っていいのかもしれない。もちろん一生見守るという誓いは守るわけだが、そうするために俺が為すべき行動は実際にはもうないのだろう。おそらく道筋はし...
230929 十五夜の月は厚い雲に隠されていた。彼女が慣れようとしていたものは社会で、もちろん俺はその彼女視点の「社会」の一部であり、最もイージーなファーストステージであると自...
23.10.4 五蘊盛苦。一番しんどいのは俺が独占欲をもってしまっていることだ。なんら正当性のない醜い欲。求め得られない苦しみなどよりもこの欲に苦しめられるのが辛い。彼女は健康に...
23.10.14 当たり前のことを認識するたびに痛みを感じるというのはどういうわけだ。わけも何も全ては俺の愚かさに起因している。“偶然が許した例外なのに 贅沢な期待を持ち過ぎたた...
23.10.19 距離がだんだん開いていくのは当たり前で、この距離の間に入ってきているものは本来彼女が持っていた数多くの人間関係などで、つまりそれを取り戻していっているのだから喜...
23.10.21 歌を詠む。結局無理くり捻り出されることばには輝きはなく、少しでもミューズが宿るように思えるのは、彼女を歌った歌だけだ。つまり俺の心を今本当の意味で動かせるのは彼...
23.11.11 あまり調子が良くなさそうだ。自信も失っているように見える。同じことを繰り返し言うのが調子の悪さからなのか、俺と話す事などほぼ記憶しないからかは分からない。後者な...
23.11.15 構ってもらおうと犬みたいな反応で即レスするとか、だいぶん前、いやそもそもの最初っからそうなんだがケアされているのは俺という現実。だから句点を打つとするならば俺が...
23.11.16 面白い人になりたかった。頭がいいとか運動ができるとかよりも、そこにいる人を笑わせられる才能が、何よりも欲しかった。中学生の頃からずっとコンプレックスがあった。俺...
23.11.29 久しぶりに長く話す機会をもらう。事前に話したい話題を頭の中で整理している自分が微笑ましかった。やはり好きだと思う。でも、欲しいではない、気がする。欲しい方面の欲...
23.12.12 既に経験的に知っていることだが、明日は特に何も起こらない。俺が生み出す大きな盛り上がりはなく、同席する人に助けられて彼女ら同士の話を聞くような体でじっとしながら...
23.12.27 もう少し明るい話題もすれば良かった、などと家に帰ってから気がつくのは俺の通常運転ではあるが、やはり後悔はするのだった。年末年始に読む小説の話などすべきだったのか...
24.1.11 「結局のところ誰も責任など取れないのだ」というのはふと俺の口をついて出た言葉なのだが、それなりの真理だと思う。後輩アナウンサーの自死について後悔の念を滔々とテレビ...
24.1.19 「尖ってた時はないのか」と訊かれて思い返して「内向きにしかない」と割と正直に情けない告白をする。あまり正確には伝わらなかったようだが、本当に言いたかったのは「尖り...
24.2.29 何度目かの冷静期に入っている。それは自分の外見的醜さ、内面的な価値のなさを見つめている(見据えてはいない、目はうっすらとしか開けない)時期だということで、つまり鬱...