小学校の時に公民館の「まんが世界の歴史」とかで読んでた頃をふと思い出したので書いておく。
自分にとっては、劉邦ではなく項羽の方に感情移入をして彼らの物語を読んでいた。アウトローで人間味に溢れる劉邦は、今の俺には魅力的に映るが、当時の自分にとっては遠すぎる存在だった。人間としての器の大きさで周りを巻き込む劉邦の生き方は、ある種ヤンキー的価値観でもあり、そのようなものを本能的に避けていたのだとも思う。
小学校の時の自分は今にもまして不器用で、友達も多くなかった。勉強だけはできたが、それによってむしろ周りに遠ざけられ、また自分も周りを遠ざけているところがあった。
剣の才能に恵まれ、家柄と容姿に恵まれているが、傲慢な性格で孤立していった項羽の方が自分は心情的に近いものを感じていた。私自身の見た目だとか身体能力が高いということを言っているのではない。持つものはあっても、周りから孤立していった項羽の悲しさに同情していたのだと思う。
項羽と劉邦の物語はいつ読んでも項羽の悲しい破滅で終わるのだが、まんがで描かれた項羽の美しい顔を眺めながら何度も読み返していた。